粉末鋼なので炭化物によるピン止め効果があるから大丈夫だと思っていた。
しかし組織を観察してみたら、見事に焼入れ過熱の組織になっていた。
画像は600倍、横の画角が約100μm。
基地にひび割れがあり、典型的な過熱組織になっている。
こちらは適正な熱処理をしたRWL34の組織。
過熱組織はおそらく炭化物が過剰に溶け込んだからなのだと思う。二度続けて焼入れする事で、必要以上に溶け込んで過熱焼入れと同じ状態になったと思われる。
硬さを測ってみたところ、想定したより低かった。これも過剰に炭素が溶け込んで残留オーステナイトが増えたからと考えられる。サブゼロをやっていても低温焼き戻しの場合は10~20%程度は残るそうだ。
再熱処理するときはどうするべきか?
おそらく一度焼鈍してから行えばいいと思う。炭素を吐き出して炭化物に戻しておけばいい。
しかし応力除去の焼鈍しと違って、焼きの入った合金鋼の焼鈍しはなかなか難しい。
結局のところ焼入れのやり直しはやるべきではないんだなw
一つ面白いと思ったのは、過熱組織のひび割れは炭化物で遮られて、それ以上伸びてはいない。
ひび割れはオーステナイト結晶粒の結晶粒界であるわけだが、均一に分布した炭化物により結晶の成長が妨げられているのだ。これがピン止め効果なんだな。
画像で見える4μm前後の炭化物は溶製鋼でいうところの共晶(一次)炭化物に相当するので、溶融する寸前まで加熱しても変化しない。
この部分が粉末鋼の本質なんだ。これが見れただけでも失敗した甲斐はあったw
しかし確実に靭性は低いと思われる。もともと粘る粉末鋼なので、案外それなりには使えるのかもしれない。
残念ながらこれでは表には出せない・・・
しかしもったいないのでとりあえず完成させて、自分で使ってみる事にしようw
フォルクスでは3回が限界って言うてたなw
返信削除デ
性能差が分からないだけだと思うだな。
返信削除実際は二回目ですでに性能が落ちるが、気が付かないだけだよw
商売的に言うてるんやろな。
返信削除硬さが出て、ある程度脆くなかったらそんでエエみたいなw
デ
商売ってそんなもんだよなw
返信削除