2019年7月31日水曜日

今年の梅干し

 漬けていた梅を干す。
今年は上手い事梅酢が上がってカビが生える事もなかった。
やっぱり重石をした方が確実みたいだ。

月曜の朝から干し始める。
梅雨もちょうど明けたみたいだ。

 三日も干すといい色あいになってくる。
最終日の今日は昼過ぎに突然通り雨が降って慌てたw

今年は結構いい出来だ。
なかなか梅雨が明けなくて困ったが、いい具合に干す事ができて安心したw

2019年7月28日日曜日

どうなるか?

 ちょっと前からだけど、ぼちぼち次のもやってる。













久しぶりにSPGⅡを使うので、応力除去のために焼鈍す。焼入れで曲がるのを防ぐ。
暗い中で薄赤くなる程度まで加熱する。大体600℃ぐらい。


空冷でもいいのだが、念のため灰の中で徐冷する。
応力除去の焼鈍しについては以前いくつか書いた。




RWL34でフィールド&ストリームのご注文を貰ったので、これを先にやる事にした。
以前RWL34を使ったときは念のため焼鈍したのだが、焼鈍しが必要なのか分からない。
熱処理で曲がらなければやる必要はないのだが・・・
そこで焼鈍しの有無でどうなるのか試してみる事にした。
F&Sは焼鈍して、3incのセミスキナーは焼鈍しなしでやってみる。
3incなら曲がっても損失は少なくて済む・・・ 

大分途中の作業は飛ぶが、とりあえず熱処理前の磨きまで終わった。
今回はこれからヒルトを作る。
しかし暑いな・・・

2019年7月25日木曜日

鉄漿で染める

 鉄漿を作る。
といっても偽物で、鋼材の切粉とお茶っ葉を水で溶いて一晩置いただけ。
タンニン鉄の黒い液体ができる。
炭素鋼のブレードを黒染めするのに水で溶いたお茶っ葉に漬けこんでやる事があるが、この時できる黒い液は指に付くとなかなか落ちない。
タンニン鉄は染料に使えそうだと思っていた。

 白骨化した鹿角の風合いがよくないので、これを染めてみる事にした。
玉ねぎの皮を煮詰めて染料作るのも面倒だったので、試しに鉄漿もどきを使ってみる。
 塗っては乾かしを何かいか繰り返す。
白骨化した鹿角はよく染み込む。

乾燥して出来上がり。
ちっと黒くなりすぎたか・・・
磨くと黒光りしてくる。
それほど深くは入ってないが、案外このぐらいがちょうどよさそうだ。
最終的にオイルフィニッシュすれば色落ちする事はないと思う。
革用染料と違って染み込みすぎないのもいいかもしれない。

2019年7月22日月曜日

原因は?

スーパーハイエンドコレクター?のK氏より調査依頼を受けた。
バックのシースナイフが研いでも刃が付かないそうだ。
ランスキーで研いでいたらしいが、グズグズ崩れて刃にならないとの事。
比較に良品の3ブレードのフォールディングナイフを預かった。
試しに研いでみた。
バックは妙に硬い感じで、確かに切れる刃がなかなか付かない・・・というか切れないw
3ブレードのホルダーは普通に研げて簡単に刃が付いた。


バック600倍
600倍は横方向が約110μmになる。
共晶(一次)炭化物の形状や大きさからしてD2なのは間違いなさそうだ。多角形で歪な形状の物が共晶炭化物。
画像では不鮮明だが、肉眼での観測では基地の結晶の粒界が見られる。
全体的に二次炭化物(析出による炭化物)は少なくなっている。
おそらく焼入れ温度過熱により二次炭化物の固溶量が多くなってるのだろう。
それに伴い基地の結晶粒が成長して粒界が見られる様になったのだと思われる。
この状態だと脆くなってポロポロと刃が欠けやすくなる。

バック150倍
150倍は横方向が約420μmになる。
横方向がブレードの長手方向。
なんとなく横方向に鍛流線があるのが分かるが、もう少し倍率を下げるとはっきり横方向に確認できた。

 3ブレードフォルダー600倍
共晶炭化物が大きく疎らではあるが、その間に小さく丸く分布している物が二次炭化物と思われる。比較的多く溶け残っている。
これの基地の結晶粒界らしきものは観察できなかった。
概ね適正な熱処理がされていると思われる。


 3ブレードフォルダー150倍
横方向がブレードの長手だが、共晶炭化物はランダムに分布していて、鍛流線ははっきりしない。
D2ではある様だが、こちらはクロスロール圧延で方向性がないのかもしれない。
 SLD生材600倍
参考にD2に相当する日立のSLDを観察した。熱処理前の生の状態。
共晶炭化物の間に、細かい二次炭化物が概ね一様に分布している。
焼入れで固溶するのは二次炭化物で、共晶炭化物は固溶しない。
焼入れ温度が高くなるほど二次炭化物の固溶量が増える。
基地の結晶は炭化物が障害になって結晶の成長は抑制されるのだが、炭化物が固溶してなくなると隣同士の結晶が合体して結晶粒が粗大化する。
熱処理の良否は生材の炭化物の分布状態に影響される。
 SLD生材150倍
日立のSLDは共晶炭化物が比較的細かく粉砕されている様だ。
安来で日立の人に会って話を聞いたら、「うちは圧延比大きいからw」と言っていた。相当大きいインゴットから圧延するのだろう。
同じ規格で成分も変わりがなくても、メーカーによる違いはこういったところに出るのだろう。
 SLD適正温度焼入れ600倍
SLDは実験で熱処理条件を変えて試験片を作ってあったので、参考までに載せておく。
これは適正な条件での熱処理したもの。
生材と比較すると、やや二次炭化物が減っている様だが、それほど大きく違いはない。






SLD過熱焼入れ600倍
焼入れ温度が適正より50℃ほど高い。
明らかに二次炭化物の量が減っている。
画像では分かりにくいが、基地にひび割れの様に結晶粒界が見える。
状態としてはバックと同じだ。
刃が付かないのは焼入れ温度過熱が原因で間違いなさそうだ。






合金鋼の焼入れ温度過熱の組織は、炭素鋼のそれとは大分様子が違う。
これについてはいくつかの理由があるのだが、またの機会にでも書きたいと思う。
一つ言えるのは、高合金鋼と炭素鋼は全く別の素材と思った方がいいという事。

試験片を作って持っていたので、それらの観察で考察する事ができた。
金属顕微鏡を使う様になって、色々な事が分かってきた。面白いおもちゃだw

2019年7月21日日曜日

弾との相性

久しぶりに射撃に行ってきた。
前回の時に書いた様にやると、50mの膝撃ちでレッドバードだとグーの手ぐらい(100㎜程度)の範囲にまとまる。
フェデラルのスラッグだとどうか?と思ってやってみたら、これがとんでもなくバラつく。300㎜ぐらいの範囲になる。
一発撃つ毎に洗い矢で銃身を掃除するのだが、レッドバードはえらい量の鉛がこびりつくが、フェデラルだとあまり付いてない。
どうも弾頭の大きさが違う様だ。ある程度きつめで潰れながら銃身内を通って行くのがいいのかもしれない。
スラッグは銃と弾の相性があるとはよく聞く。たまたま自分の銃はレッドバードの弾がよかったのだろう。

2019年7月20日土曜日

セミスキナーとフィールド&ストリーム

残り二本も出来上がった。
先ずは3.5incセミスキナー。

ブレードは銀紙3号を使った。
3㎜厚を2.6㎜に削り抜いてある。
フルに3.5incあるし身幅もあるので、結構大きく感じる。
セミスキナーは癖がないので,四つ足の狩猟には使いやすい。エッジの形状的に研ぎやすくていい。

ハンドルはブラックキャンバスマイカルタで、ヒルトは真鍮を使った。
真鍮ヒルトはたまにしかやらないのだが、このハンドルとの色合いはなかなかいいと思った。
自分の場合真鍮もニッケルシルバーも快削材でなく、鉛の入ってない圧延材を使っている。その方が磨いた質感がいい様に思う。

やや厚めだがハンドルは標準的に成形したつもり。
ブラックキャンバスってめったに使わないのだが、これもなかなかいいなと思った。

シースは気分でトリプルステッチにしてみた。
一本の糸で縫ったら3.5mも必要だった・・・
無駄な事をやった気もするが、まあいいかw

続いて3.5incフィールド&ストリーム。

これも銀紙3号で、同じく3㎜厚を2.6㎜に削り抜いている。
銀紙3号はATS34が入手しやすかった頃は見向きもしなかったが、使ってみると意外といい鋼材だと思った。
炭化物のほとんどがCrによるものなので、必要以上に耐摩耗性がよすぎるという事がなく、とても素直な刃になる。
包丁によく使われているのが分かる気がする。
安来で日立の人に聞いたが、銀紙3号はNiが含有しているそうだ。(0.1%らしい)
レッドリネンマイカルタのハンドルにニッケルシルバーのヒルトとした。
ちょっと派手な色合いだが、こんなのもいいと思う。

これもやや厚めだが、標準的に作ったつもり。
薄すぎるよりボリュームあってメリハリが効いたハンドル形状の方が自分は好きだ。

ダブルステッチとしたが、なるべく細身になる様にシースは作った。
革シースだと釣りに使ったらどうなるのだろうか・・・ちょっと興味があるw

4本とりあえず終わった。
いかに効率を上げるかと工程を見直しながらやってみている。
一遍にやれるのは4本が限界だな・・・

2019年7月18日木曜日

4incドロップ

ドロップも出来上がり。
4incのATS34だがK-typeを使ってる。

4㎜厚の鋼材を使ってるが、背側を削り抜いて実質2.7㎜厚にしている。必要なのはサバイバルナイフではない。実際の使い勝手を優先したい。
ドロップはちょっと癖があるが、使いこなせれば四つ足猟にはとても便利だ。
ハンドルはマルーンリネンマイカルタ(だったかな?)を使った。
派手さはないが落ち着いた色合いが好きだ。
リネンマイカルタは磨き込んだ質感がいい。


ハンドルは結構厚めにした。
その代り絞り込んで厚を感じない様に整形してみた。
人により好き嫌いがあるかもしれないが、ある程度ハンドルのボリュームはあった方が、実際猟で使うにはいい様に感じる。

シースは銀面に少し傷があったが、わざとそのまま使ってみた。
使い込んでいくといい風合いになると思う。

4incと称してはいるが、実際には若干小さい。
しかしそれでも結構大きく感じる。
ドロップって大きすぎても小さすぎても、その特性を生かすのは難しくなる。
概ね3.5~4incの間がいいところだと思う。

2019年7月17日水曜日

3incケーパーフィン

一本出来上がった。まだ梅雨空が続いているが、思ったよりシースが早く乾燥した。
3incケーパーフィン、銀紙3号。
3incとしているが、実際はほんのちょっと長い。

ハンドルはグリーンキャンバスマイカルタを使った。
前端面は薄く絞ったが、中央から後端はちょっとボリュームを持たした。

3㎜厚の鋼材を使ったが、背側を削り抜いてブレードは実質2.5㎜厚としている。
セミスキナー的な形状だが細身の作りなので、やはり用途としてはケーパーになると思う。
鳥や釣りにもいいと思うので、トラウト&バードって事でもいい。

シースは細身が似合うと思うので、あえてダブルにはせずシングルステッチにした。

キリオンがないので、取り回しが軽快でいい。
作り的に重作業には向かないが、気軽にちょっとした作業をこなすのにはいいモデルだと思う。
アウトドアもいいが、家の中でテーブルに置いて雑用に使うのもいいかもしれない。

2019年7月15日月曜日

シース作った

 やっとシースを作る段階に来た。
まとめて作ると板取に無駄がなくていい。
とは言え4個ぐらいが限界だな・・・

 折り返しの溝を彫る準備。

ベルトループを接着。
写真撮るの面倒だったので、所々工程が抜けてるw

 ウェットホームした・・・
 コバ磨く・・・













乾いたらタレに漬ける・・・


乾燥中・・・

以上がここ何日かの作業のまとめw