2018年11月8日木曜日

銀紙の組織

 銀紙1号と銀紙3号の組織を観察してみた。
先ずは銀紙1号の600倍。横の画角がちょうど100μm。
銀紙1号は系統としては440Cに近い。組織も似ていて共晶炭化物が多い。
10μm前後の共晶炭化物がジャリジャリ入っているが、これらはCrによる炭化物が主体なので、必要以上に耐摩耗性がいい訳ではなさそうだ。

銀紙1号の75倍。
クロスロール圧延で鋼材の長手方向は横方向だが、定尺では縦方向の方が長くなる。
クロスロールとはいえメタルフローはあるはずだが、銀紙1号の場合はほとんど判別がつかない。
銀紙3号の600倍。
銀紙1号よりは共晶炭化物は少ない。ATS34に似ている。
銀紙3号は14%Cr,1%Cで、系統としてはATS34に近い。Moが添加されてないだけともいえるかもしれない。

銀紙3号の75倍。
縦方向にメタルフローが見られる。クロスロールでも真四角に圧延している訳でないので、微妙に長手方向に鍛流線が出来る。
問題は鋼材の長手の直角方向に出来る事だ。
フラットバーの場合は長手方向に鍛流線が出来るが、クロスロールの場合それとは90度違くなる。
ブレードの強度としては長手方向の方がいいのかもしれないが、エッジが物を切る時を考えると90度の方向に鍛流線があった方がよさそうだ。
銀紙3号も炭化物の主体はCrによるものだ。ATS34の様にMoがないので耐摩耗性はそれほどでもなさそうだ。おそらくATS34の様に磨いてムラが出る事も少ないと思われる。


3 件のコメント:

  1. 釣り師イカ2018年11月9日 8:24

    銀紙7号もお願いします。

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  2. ちょうど銀1と銀3の30幅を買って、カット方向これで大丈夫なのかなと思っていたところですw

     HILTS

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  3. 銀紙7号はCRMO7ですねw
    http://monosuki.blogspot.com/2017/03/eost-1.html
    この中にCRMO7の写真あります。

    フラットバーと違って長手の直角方向にメタルフローが出来ますが、シースナイフなら問題ないかと思います。
    フォールディングナイフのスプリングに使う場合は注意が必要かもしれないですw

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