2019年12月3日火曜日

ジェネリック?

 この前マトリックスアイダに行った時に、テストピースを預かってきた。
サンドビックの10C28Mo2という鋼材らしい。CRMO7の代替品として今後扱うそうだ。
0.5%C.14%Cr.1.0%Mo.0.08%Nという組成の様だ。若干の違いはあるが銀紙7号と言われるCRMO7とかなり近そうだ。
10C28Mo2もおそらく剃刀用の鋼材なんだと思う。もしかしたら銀紙7号を使ってた剃刀メーカーが、別の供給元としてサンドビックに相当品として作らせているのかもしれない。もしくは銀紙7号の特許が切れたか?


硬さを測ってみた。
熱処理はマトリックスアイダでCRMO7の条件でやってあった。熱処理屋さんの測定ではHRaで81.0となっているので、HRc換算だと59~60ぐらいの様だ。
うちで測ったらHRc59.5だった。
通常CRMO7は59いくかどうかってとこなので、若干硬めになっているのかもしれない。


 組織を観察してみた。
耐水ペーパーで2500番のまで磨いて、希硫酸とアルコール(ラム酒w)の混合液でエッチングした。
先ずは600倍。横の画角がちょうど100μm。
炭化物は非常に細かい。大きいものでも2μm内に収まっている様だ。
これなら研ぎ上げると滑らかな刃が付きそうだ。

これは150倍 。
CRMO7より細かくていいかもしれない。
サンドビックは鉄の原料に何を使ってるか分からないが、よい原料を精製しているなら悪くなさそうだ。
 参考までにCRMO7も。研磨とエッチング方法は同じ様にやった。
先ずは600倍。
一次炭化物がないというのが売りだったが実際には微妙にあって、5μm前後の歪な多角形の炭化物として存在している。


これは150倍。
研磨傷が残って分かりづらいが、縦方向にメタルフローがある。
CRMO7は磨いた表面に微妙に縞模様が出る事があったが、僅かに残っている一次(共晶)炭化物が圧延方向に鍛流線として出る様だ。
安全カミソリは0.何㎜かのリボン状だが、ナイフ用のフラットバーだと圧延比が足りないのかもしれない。





10C28Mo2はなかなかよさそうだ。今後に期待したい。
しかしサンドビックの鋼材は名前を何とかしてほしい。覚えにくくてしゃあないw

4 件のコメント:

  1. サンドビクはスェーデンやったかな?
    楽しそうなのが出てきたね。
    あとは値段w
    デ

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    1. よくは知らんけど北欧の方なんじゃないかなw
      値段はそんなに高くないみたいよ。

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  2. 釣り師イカ2019年12月4日 6:56

    もうちょっと長生きせないかんねw
    頑張りますw

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    1. いい鋼材出てきたから、是非とも使ってみましょうw

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