2019年11月8日金曜日

思い込みだった・・・

状態図を眺めていて気が付いた。
デビッドボウイのデンドライトスチールだが、あれは炭化物がデンドライト組織になってる訳ではないんだな。思い込みで一次炭化物に相当するものが樹枝状組織になってると勘違いしていた。
貼った状態図は13%Crのものだが、傾向は440の様な17%Crでも変わらない。
溶融した状態(L領域)から凝固する時、初めにΓが凝固しだす。(L+Γの領域)
この時のΓ(オーステナイト相)がデンドライト(樹枝状)組織になる。
さらに温度が下がるとΓの樹枝状組織は成長して、最後に樹枝状の隙間に炭化物が晶出する。
入り組んだ樹枝状の間を埋める様に炭化物が出来る訳だ。
金属顕微鏡で見た組織で、炭化物が紐状の塊で所々が切れて一塊になってるのはこのためなんだな。
炭化物が樹状組織になっているのではなく、基地の鉄が樹状組織になって、その間を埋める様に炭化物(一次炭化物)が存在しているってのが、デンドライトスチールの本質の様だ。
硬い一次炭化物が独特の形状で組織中に含まれている。これが刃先に出る事で独特な切れ味を出している。
独特な組織が何故できるのか不思議だったが、これで腑に落ちた。
何故そうなるのかは必ず理由があって、大体理論通りの傾向を示す。
思い込みってのが一番怖いもんんだw

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