2019年7月4日木曜日

過熱組織

 一昨年のJKG野外例会の鍛造教室で作ったナイフ。
確かSK4だったか?
どうにも研いでも刃が付かずにボロボロ欠けてしまう。
そのまま放置プレイしてたのだが、ちょっと思いついて組織を観察してみた。

 先ずは600倍。最近入手したニコンのMplan40を使ったので、横幅は今までより僅かに広く110μm程度になる。
典型的な焼入れ温度が高すぎる粗い組織になっている。
見たところ溶け残った炭化物がとても少なそうだ。
なるほど針状のマルテンサイトとはこの様な状態なのか。

これは150倍。これも最近入手したニコンのMplan10を使ってる。横幅は420μm程度の様だ。
概ね教科書通りの組織を実際に見る事が出来た。

焼入れ温度の過熱による組織肥大は単純にオーステナイト結晶粒が粗大化するためだと思っていた。
しかし実際にはそう単純なものでもない様だ。
この辺りの事は過熱による失敗なのだからと、あまり深くは考えた事がなかったのだが、よくよくマルテンサイトの性質を見直してみたら面白い事が分かった。
単純な様で単純ではない。しかし現象はシンプルに起こるもんなんだなw


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