磨いて名入れしてヘアライン引いた。
スーパーゴールドⅡなのだが、とても磨きにくかった。RWL34から比べると三倍は手間が掛かった気がする。
スーパーゴールドⅡはものによって磨きにくい時がある。初めの頃は熱処理によるのかと思っていた。
高温焼き戻しだと粘って磨きにくいが、低温焼き戻しだとサラサラと磨ける。
確かにそんな傾向はあるのだが、どうもそれだけではない様だ。
鋼材の製造ロットによって違いがある気がしていた。
顕微鏡で組織を見てみた。今回の磨きにくかったスーパーゴールドⅡの熱処理済み600倍。横の画角が約100μm。
これは以前作ったSPGⅡの試験片で、熱処理条件は同じ。同じく600倍。
見比べると試験片の方が炭化物が僅かに大きいが、密度が疎らに見える。
150倍で見るとさらに良く分かる。
これは今回のSPGⅡ。
炭化物の密度が高い。
こっちが試験片の150倍。
炭化物の分布状態が明らかに違う。
磨きにくかったSPGⅡの方が細かく一様に分布している様に見える。
磨きにくいのは炭化物が大きいのかと思っていたが、どうもそうではない様だ。
SPGⅡはVによる硬い炭化物が、細かく均一に分布する事で、耐摩耗性が高くなっている。
そういった意味では刃物としては磨きにくい方が向いてるのかもしれない。
しかし何故この様な違いが出てしまうのか・・・様々な原因は考えられるが、工業製品としては仕方のないバラつきなのかもしれない。
金属顕微鏡はとても役に立っている。
「刃物の見方」の著者の岩崎航介氏は苦労して金属組織を観察したと思われる。当時の金属顕微鏡を使って組織の写真を撮るのは、えらく労力が掛かった事だろう。
今は二束三文の値段で、ボロいとは言え十分使える金属顕微鏡が手に入るのだから・・・
鹿角ハンドルを接着して、もう一本はヒルト付けてハンドルの用意をした。
工場勤務のヌコどもはダレてきた。
そういやあんこは昨日で11歳になったw
0 件のコメント:
コメントを投稿