友人から包丁を研ぐため預かってきた。
10数年前に作った物だが、全く研ぎ直さず使ってたらしい・・・
刃先が所々よれちゃっるし、ほとんど切れない。
鶏肉切れなくて引きちぎってたんだとかw
しかしこんなのよく鉄工ヤスリで削ったもんだな・・・
それほど使ってはなかったんだろうけど、ハンドルなんかはあまり痛みもない。
同じ時期に作ったうちの包丁は、ここまで刃が小さくなったんだけどな・・・
同じ型だったとは思えないw
研ぎ直した。
薄く作っているので小刃が小さい。
うちの包丁は小刃が厚くなってきているので、コンベックス状に研いでいる。CRMO7ならある程度ベタで広く研いでも苦にならない。
きっちり削ったフラットグラインドは、結構研ぎ減っても使える。
ステンレス鋼の場合、はじめからコンベックスだと研ぎ減った時に刃体を大きく削り込まないといけないので、難儀する事になる。
剛性に問題がない程度に刃体は薄くするべきだ。きっちり作ったフラットグラインドは使いやすくていい。
鉄工ヤスリでナイフを作る。必要なのは、手間と時間と根気と努力・・・ 自作ナイフなんて物好きのやる事だなぁ・・・ 但し2017年からはちょっとづつ機械使ってるよ~ Twitterもやってます。 https://twitter.com/LnSsC6TqPJZaepn
2018年10月28日日曜日
2018年10月24日水曜日
鹿肉ジャーキーを作るため
駆除後廃棄されてまう鹿肉で、ペット用無添加おやつを作りたい!
うちらのグループのこが鹿肉使ってワンコ用のジャーキーを作っている。
味着きで作ると人間が食ってもなかなかいけるのだが、食品衛生法的にそれは難しいのでワンコ用にと細々と販売していた。
家庭用の食品乾燥機を使っていたのだが手間と時間が掛かるので、ちょっと設備投資してやってみようとなったそうだ。
獣害被害が増えて駆除で捕獲される鹿が結構多いのだが、人間用に食肉として流通させるには難しい現実がある。(うちらはそんなの気にせず食ってはいるんだけどねw)
なかなか獲った獲物を全て有効利用できる訳でもなく、廃棄される事も多かったりする。
折角の獲物がもったいないので、せめてワンコ用のフードにして有効利用したい。
クラウドファンデングで支援を募っています。
賛同してご支援いただけたらありがたいです。
宜しくお願いしいます~
2018年10月18日木曜日
ハンドル成形
ハンドル外形削るのはこれで。
簡単に持ち出せるので、仕事の合間に作業するのに重宝してる。
成形はバーキングで。
粉塵凄いから軒下に持って行って使う。
ラブレスボルトは削った模様で厚さが分かる。
表側はマイナスのすり割りが消えるまで削ればいいし、裏側はコマのネジの面取りが無くなるまで削ればいい。
あひるさんに作ってもらったインチサイズのラブレスボルトは、ハンドルの設定厚みより4.0㎜深くコマ穴をあければいい様に設計してある。
大雑把にバーキングで削るが、細かい所はヤスリで削った方が手っ取り早い。
ベルトの種類をあまり持ちたくないってのもある。
余程沢山作るのでなければ、これでいいのかもしれない。
ヤスリで削った後バーキングで220番のベルトで均す。
後は手で磨けばいい。
バーキングは60番と220番のベルトだけ持っていれば今のところ十分だな・・・
簡単に持ち出せるので、仕事の合間に作業するのに重宝してる。
成形はバーキングで。
粉塵凄いから軒下に持って行って使う。
ラブレスボルトは削った模様で厚さが分かる。
表側はマイナスのすり割りが消えるまで削ればいいし、裏側はコマのネジの面取りが無くなるまで削ればいい。
あひるさんに作ってもらったインチサイズのラブレスボルトは、ハンドルの設定厚みより4.0㎜深くコマ穴をあければいい様に設計してある。
大雑把にバーキングで削るが、細かい所はヤスリで削った方が手っ取り早い。
ベルトの種類をあまり持ちたくないってのもある。
余程沢山作るのでなければ、これでいいのかもしれない。
ヤスリで削った後バーキングで220番のベルトで均す。
後は手で磨けばいい。
バーキングは60番と220番のベルトだけ持っていれば今のところ十分だな・・・
2018年10月15日月曜日
ハンドル付ける
ヒルト前端面を養生するためネジロック剤を塗布しておく。
ヒルトとの接触面を切る。
面の調整。
円盤使うと速いが、微調整は石板の方がやりやすいな。
穴あける。
ハンドルの想定厚みからラブレスボルトのセット深さを割り出して、段付きドリルでコマの穴あける。
セミスキナーとドロップとも同じ深さでいけたので、手間がなくてよかったw
外形を切り出す。
いつもとは工程順が違った。まあどっちが先でも違いは大してないか・・・
念のためタングにもう一度ブラスト掛ける。
ハンドル材を接着。
予めコマを嵌めておく。
接着する。
ネジ止めしてからだとソングホールパイプが通りにくいので、パイプは先に嵌めておく。(テーパー分微妙に曲がってるから)
ネジを締め込む。
ヒルトとの密着は以前は万力に挟んで固定していたが、ラブレスボルト使って今のやり方になってからはその必要なくなった。
接着が硬化するのを待つ・・・
ヒルトとの接触面を切る。
面の調整。
円盤使うと速いが、微調整は石板の方がやりやすいな。
穴あける。
ハンドルの想定厚みからラブレスボルトのセット深さを割り出して、段付きドリルでコマの穴あける。
セミスキナーとドロップとも同じ深さでいけたので、手間がなくてよかったw
外形を切り出す。
いつもとは工程順が違った。まあどっちが先でも違いは大してないか・・・
念のためタングにもう一度ブラスト掛ける。
ハンドル材を接着。
予めコマを嵌めておく。
接着する。
ネジ止めしてからだとソングホールパイプが通りにくいので、パイプは先に嵌めておく。(テーパー分微妙に曲がってるから)
ネジを締め込む。
ヒルトとの密着は以前は万力に挟んで固定していたが、ラブレスボルト使って今のやり方になってからはその必要なくなった。
接着が硬化するのを待つ・・・
2018年10月14日日曜日
ランドールのナイフ
知人からランドールをお借りした。(ありがとうございます~)
M3っていうのかな。約6incみたいだ。
厚みは元が5.6㎜で先の方で5.0㎜になってる。
レザーワッシャーハンドルが凄くいいw
4㎜前後の厚みの革(ベンズか?)を積層してある。
ヒルトは薄目でスペーサーがなかなかいい味出してる。
ヒルトはロウ付けというより半田付けに近い・・・というか、おそらく半田付けだろう。ブレードの焼き戻しついでにやってるんじゃなかろうか。
カスタムと比較してしまうと、シースはて決していい作りって訳ではないが、丈夫で必要十分な作りだ。
革質も悪くない。ファクトリーナイフのシースとしては上出来なものだな。
これはM10というらしい。3incの小さなブレードが可愛い。
ブレードは2.9㎜厚でフルタング構造になっている。
短いハンドルだが形状が絶妙で、持ってみるとなかなか収まりがいい。
ブラックリネンのマイカルタみたいだな。
模様が何か面白い。
ポーチタイプのシースは無骨な作りだが、丈夫そうでなかなかいい。
これはM5っていうみたいだ。ブレードは4incある。
微妙に左右対称でないハンドルだが、右利だったらちょうどいい持ち具合になる様になっている。
ヒルトの上側が平らに削ってある。
立てて置く事が出来る。面白い作りだ。
ブレード厚は3.8㎜。薄い作りがいい。
外形写して採寸もしておいた。
ランドールもなかなかいいなw
ランドールのブレードって16incぐらいの径のグラインダーで削ってるみたいだ。
t元の方はホロー気味だがポイント付近はコンベックス状に削ってある。
ホローグラインドと言ってもグラインダーで削ったから凹んでるっていうだけなんだな。
これはラブレススタイルのドロップ。
ラブレスの場合はグラインドホイールの形状を積極的に利用した形状になっている。
ブレードべベルはグラインドホイールの軌跡の形状になる訳だが、両面のエッジでの接線の延長は平行になる。ランドールだと延長が交差する形状になってる。
ラブレスのブレードはエッジから薄い領域が広い作りになっているのが特徴なんだな。
ある時代からラブレスはこういった作りになったみたいだが、おそらく粘りのある鋼材を使いだしてからなんだと思う。(154CM辺りから?)
ホローグラインドと言っても単純じゃないんだなw
M3っていうのかな。約6incみたいだ。
厚みは元が5.6㎜で先の方で5.0㎜になってる。
レザーワッシャーハンドルが凄くいいw
4㎜前後の厚みの革(ベンズか?)を積層してある。
ヒルトは薄目でスペーサーがなかなかいい味出してる。
ヒルトはロウ付けというより半田付けに近い・・・というか、おそらく半田付けだろう。ブレードの焼き戻しついでにやってるんじゃなかろうか。
カスタムと比較してしまうと、シースはて決していい作りって訳ではないが、丈夫で必要十分な作りだ。
革質も悪くない。ファクトリーナイフのシースとしては上出来なものだな。
これはM10というらしい。3incの小さなブレードが可愛い。
ブレードは2.9㎜厚でフルタング構造になっている。
短いハンドルだが形状が絶妙で、持ってみるとなかなか収まりがいい。
ブラックリネンのマイカルタみたいだな。
模様が何か面白い。
ポーチタイプのシースは無骨な作りだが、丈夫そうでなかなかいい。
これはM5っていうみたいだ。ブレードは4incある。
微妙に左右対称でないハンドルだが、右利だったらちょうどいい持ち具合になる様になっている。
ヒルトの上側が平らに削ってある。
立てて置く事が出来る。面白い作りだ。
ブレード厚は3.8㎜。薄い作りがいい。
外形写して採寸もしておいた。
ランドールもなかなかいいなw
ランドールのブレードって16incぐらいの径のグラインダーで削ってるみたいだ。
t元の方はホロー気味だがポイント付近はコンベックス状に削ってある。
ホローグラインドと言ってもグラインダーで削ったから凹んでるっていうだけなんだな。
これはラブレススタイルのドロップ。
ラブレスの場合はグラインドホイールの形状を積極的に利用した形状になっている。
ブレードべベルはグラインドホイールの軌跡の形状になる訳だが、両面のエッジでの接線の延長は平行になる。ランドールだと延長が交差する形状になってる。
ラブレスのブレードはエッジから薄い領域が広い作りになっているのが特徴なんだな。
ある時代からラブレスはこういった作りになったみたいだが、おそらく粘りのある鋼材を使いだしてからなんだと思う。(154CM辺りから?)
ホローグラインドと言っても単純じゃないんだなw
2018年10月12日金曜日
やりやすい?
1500番→2500番と掛けて、仕上寸前まで行ったところで名入れした。
エッチングを深く入れるので若干滲みが出る。
サラッともう一度2500番を掛ける。
ノートンの2500番でヘアラインを引く。
以前はえらく手間かけて引いていたが、今は大分楽に出来る様になった。
満足いくヘアラインが引けた。
ヒルトの取り付け。
ピンを準備する。
半田ごて使ってピンの頭だけ鈍してみた。
ピンは線引きで加工して作るので、全体が結構加工硬化している。
バーナーで炙れば簡単に鈍せるが、そうするとピンの強度が下がる。
金属パテを塗ってヒルトを装着。
今回は黒皮付いてる状態でヒルトを作っていたが、この方が最終的にクリアランスがちょうどよくなっていいのかもしれない。
ピンをかしめる。
鈍しが効いてやりやすかった。
半田ごてぐらいの温度でも十分みたいだ。
はみ出たパテは拭き取る。
盛る様にはしない。
とりあえずヒルト付けておしまい・・・
エッチングを深く入れるので若干滲みが出る。
サラッともう一度2500番を掛ける。
ノートンの2500番でヘアラインを引く。
以前はえらく手間かけて引いていたが、今は大分楽に出来る様になった。
満足いくヘアラインが引けた。
ヒルトの取り付け。
ピンを準備する。
半田ごて使ってピンの頭だけ鈍してみた。
ピンは線引きで加工して作るので、全体が結構加工硬化している。
バーナーで炙れば簡単に鈍せるが、そうするとピンの強度が下がる。
金属パテを塗ってヒルトを装着。
今回は黒皮付いてる状態でヒルトを作っていたが、この方が最終的にクリアランスがちょうどよくなっていいのかもしれない。
ピンをかしめる。
鈍しが効いてやりやすかった。
半田ごてぐらいの温度でも十分みたいだ。
はみ出たパテは拭き取る。
盛る様にはしない。
とりあえずヒルト付けておしまい・・・
たたらを見てきて・・・
書いてはみたが、公開していいものか迷ったがSNS上では結構出ていたので、折角だからこちらにも出しておく。記憶違いや認識の誤りがあるかもしれないが、そういった点はご指摘頂けるとありがたい・・・
たたらの全景。
炉の底部は耐火煉瓦を組んで、内部に粘土を塗り込んで炉壁としている。
上部は土管を積んでいる。
送風は片方が人力の鞴で、一方は電動ブロワーが付いている。
炉の底は切ったドラム缶を埋めてあり、炭を詰め込んで固めた物(カーボンベッド)が炉底になる。
炉底は地面とすれすれの位置になり、ここに還元された鉄が溜まる。
炉壁には穴が開いていて、これがノロ(スラグ)の排出口になる。
炭を切る。
7俵程あった?
3~4cm角ぐらいの大きさだったか。
粉塵が凄い・・・
粉や破片はノロ出口を塞ぐのに使う。
鉄鉱石。
操業はじめに投入して、ケラ(還元して出来た鋼)の種になるらしい。
鉄鉱石は予め砕いておく。
肝心の砂鉄。
真砂砂鉄だそうだ。これを洗濯糊で固めて板状にしている。
昨年は赤目砂鉄で固めずに使ったらしい。
真砂砂鉄は所謂磁性酸化鉄で四酸三鉄(Fe3O4)が主成分らしい。
赤目砂鉄は磁性酸化鉄の他に酸化第二鉄(Fe2O3)を多く含有するそうだ。
炉を上から覗くとこんな感じになってる。
炉内を乾燥させるため、薪を燃やして予熱していた。
炉底のカーボンベッドが燻っている。
そろそろ操業開始。
炭を投入して燃やし始める。
ノロの排出口はレンガで閉じて回りを粉炭をかけて密閉する。
粉炭はたまに燃え出すが、炭をかけたり水を撒いて消化する。
粘土で塞がないのは開閉をしやすくするためだそうだ。
ある程度の火力になったら、先ずは鉄鉱石を投入する。
しばらくたってからいよいよ砂鉄を投入する。
原料の投入に伴い炭も投入する。
炉は結構キチキチに詰めていた。
すりきりまで詰めていた内容物がある程度下がったら、また砂鉄と炭を投入する。
15分間隔(だったっけ?)にこれを行い、一回の砂鉄の量は1㎏(だったっけ?)投入していた。
最初のノロ出し。
うまい具合に流れてこない・・・
掻き出して僅かにでてきた。
ノロは還元されて落ちてきて底にたまった鉄の表面に被ってるらしい。鉄の酸化防止に役に立つ。要はアーク溶接でいうスラグの働きをする訳だ。
ノロ自体は炉壁が溶融する事で出来る様だ。フラックスの働きもあるので、脱酸作用や不純物の排出に役に立つのだと思われる。
放っておくとノロはどんどん溜まってくる(はず・・・?)ので、時折排出する必要がある様だ。
炉内は還元雰囲気にする必要がある。
一酸化炭素ガスが燃えてる状態なんだな。
明るいうちだと分かりにくかったが、日が暮れて暗くなると炎の色合いで燃焼状態がなんとなく分かる。
画像だと炉から出た途端は還元炎だが、外気と触れて上に行くに従い中性炎から酸化炎に変化している様だ。
途中何回かノロ出しをするが、やっぱり流れ出ない。
掻き出すと出てくるが、流動性が悪い様に見えた。
肝心のケラ(出来上がりの鋼)も炉底の何処にあるのか定かではない様だった。
掻き出したノロ(スラグ)。
ちょっと硬めなのか?
僅かながらに鉄の粒が混じっていた。
還元はされている様だ。
砂鉄と炭を投入した回数は何回だったっけ?
最後の方は板状に固めた砂鉄でなく、去年使ったという赤目砂鉄を水で練って投入した。
頃合いを見て炉の解体に移る。
炉の内部はえらい熱量で満ちていた。
放射熱がもの凄く、近付くのがとても辛い。
炉内のまだ燃えてる炭をかき分けケラを探す。しかしなかなか出てこない・・・
炉を分解して行ったら、炉底に潜り込んだ形でケラが出てきた。
斧を使ってケラを割る。
樽に張った水の中に投入。
出来上がったケラは大部分が溶融した形跡があり、ノロと混じった塊になっていた。
過剰に吸炭してズク(銑鉄)になっている様だ。
よくよく観察してみると、ズクの固まりの上にケラ(よく見る玉鋼・・・炭素量が比較的低い鋼)が少量出来ていた。
おそらく最後の方に入れた赤目砂鉄によるものみたいだ。
グラインダーで炭素量を見てみる。
かなり炭素量が多そうだ。
今回出来た鉄はおおよそ5㎏だったそうだ。
炭素量が多いがちょっと手間ではあるが、卸し鉄をすれば十分使えそうとの事だ。
たたらによる砂鉄の還元は半熔融状態で推移するそうだ。
単純に状態図に当てはめる事はできないが、傾向はこれに近いと思われる。
砂鉄から還元された鉄は状態図のΓ+Lの領域にある。
羽口の上方で砂鉄は還元されて鉄になるが、鉄は半熔融状態で羽口付近の炭の間を流れて炉底に滴下する訳だ。
炭の間を流れる間に吸炭するはずだが、半熔融状態の中の固相状態のΓがCを固溶しているのだと考えられる。
Γに固溶するC量は図の赤線に沿って推移する事になる。
温度が上がる程に固溶するC量が減る傾向になる。焼入れとは逆なんだな。
羽口の温度が低いと吸炭量が増えて、温度が高い方が吸炭量が減ると考えられる。
炭素量0.5~1.0%の鋼を得ようとすると、羽口付近の温度は1350~1450℃に保つ必要がある様だ。(あくまで平衡状態なので、実際にはずれがあるが・・・)
今回板状にした真砂砂鉄だと熔融した状態になったのは、炉内の沈下速度が遅かったからではなかろうか。
板状に固めて投入したため、炉内の初期の段階で固まりになり、炭の間を通過するのに時間が掛かったと思われる。
羽口上部の比較的温度が低い位置で吸炭が促進されて、羽口付近の一番温度の高い部分を通過する頃には炭素含有量が高くなり融点が下がったため、溶融状態になり炉底に溜まったものと考えられる。
赤目砂鉄だとケラになったのは、水で練っただけだったので炉内ですぐにバラけて、停滞する事なかったからなのかもしれない。
出来上がったズクとケラが炉底に潜り込んでいた原因は、初期の段階でノロが十分に出来ず、カーボンベッドが浸食されたからなのかもしれない。十分空気を遮断できなかったからと思われる。
ノロは炉の中に塗った粘度が溶け込む事により生成するそうだが、初期の段階では炉壁の温度が十分上がらず、ノロの生成が十分でなかったと思われる。
砂鉄は予め十分選別していたそうだが、これもノロの生成が少なかった原因になるのかもしれない。砂鉄に含まれる不純物にはノロになる成分が含まれているそうだ。(珪酸塩等)
場合によっては砂鉄と一緒にノロになる成分や、ノロの発生を促進する成分を投入するのがいいのかもしれない。
ノロはケラの上で熔融状態になってないといけないが、ズクの中にノロが噛んでる状態を見ると、粘度が高く流動性が悪かったのかもしれない。
ノロの成分に問題があったのかもしれないが、もしかしたら温度が低かった可能性もある。
羽口をもっと炉底に向けて、温度が十分上がる様にした方がいいのかもしれない。
今回は2日目の操業だけ見れたが、初日から参加して炉を作るところから見てみたかった。炉の内部構造をもっと詳しく知りたい・・・
たたらはなんとなくしか原理を知っていなかったが、実際を見る事によってより多くの事を知る事ができた。とても興味深かった。
ちっと遠かったが行ってよかったw
たたらの全景。
炉の底部は耐火煉瓦を組んで、内部に粘土を塗り込んで炉壁としている。
上部は土管を積んでいる。
送風は片方が人力の鞴で、一方は電動ブロワーが付いている。
炉の底は切ったドラム缶を埋めてあり、炭を詰め込んで固めた物(カーボンベッド)が炉底になる。
炉底は地面とすれすれの位置になり、ここに還元された鉄が溜まる。
炉壁には穴が開いていて、これがノロ(スラグ)の排出口になる。
炭を切る。
7俵程あった?
3~4cm角ぐらいの大きさだったか。
粉塵が凄い・・・
粉や破片はノロ出口を塞ぐのに使う。
鉄鉱石。
操業はじめに投入して、ケラ(還元して出来た鋼)の種になるらしい。
鉄鉱石は予め砕いておく。
肝心の砂鉄。
真砂砂鉄だそうだ。これを洗濯糊で固めて板状にしている。
昨年は赤目砂鉄で固めずに使ったらしい。
真砂砂鉄は所謂磁性酸化鉄で四酸三鉄(Fe3O4)が主成分らしい。
赤目砂鉄は磁性酸化鉄の他に酸化第二鉄(Fe2O3)を多く含有するそうだ。
炉を上から覗くとこんな感じになってる。
炉内を乾燥させるため、薪を燃やして予熱していた。
炉底のカーボンベッドが燻っている。
そろそろ操業開始。
炭を投入して燃やし始める。
ノロの排出口はレンガで閉じて回りを粉炭をかけて密閉する。
粉炭はたまに燃え出すが、炭をかけたり水を撒いて消化する。
粘土で塞がないのは開閉をしやすくするためだそうだ。
ある程度の火力になったら、先ずは鉄鉱石を投入する。
しばらくたってからいよいよ砂鉄を投入する。
原料の投入に伴い炭も投入する。
炉は結構キチキチに詰めていた。
すりきりまで詰めていた内容物がある程度下がったら、また砂鉄と炭を投入する。
15分間隔(だったっけ?)にこれを行い、一回の砂鉄の量は1㎏(だったっけ?)投入していた。
最初のノロ出し。
うまい具合に流れてこない・・・
掻き出して僅かにでてきた。
ノロは還元されて落ちてきて底にたまった鉄の表面に被ってるらしい。鉄の酸化防止に役に立つ。要はアーク溶接でいうスラグの働きをする訳だ。
ノロ自体は炉壁が溶融する事で出来る様だ。フラックスの働きもあるので、脱酸作用や不純物の排出に役に立つのだと思われる。
放っておくとノロはどんどん溜まってくる(はず・・・?)ので、時折排出する必要がある様だ。
炉内は還元雰囲気にする必要がある。
一酸化炭素ガスが燃えてる状態なんだな。
明るいうちだと分かりにくかったが、日が暮れて暗くなると炎の色合いで燃焼状態がなんとなく分かる。
画像だと炉から出た途端は還元炎だが、外気と触れて上に行くに従い中性炎から酸化炎に変化している様だ。
途中何回かノロ出しをするが、やっぱり流れ出ない。
掻き出すと出てくるが、流動性が悪い様に見えた。
肝心のケラ(出来上がりの鋼)も炉底の何処にあるのか定かではない様だった。
掻き出したノロ(スラグ)。
ちょっと硬めなのか?
僅かながらに鉄の粒が混じっていた。
還元はされている様だ。
砂鉄と炭を投入した回数は何回だったっけ?
最後の方は板状に固めた砂鉄でなく、去年使ったという赤目砂鉄を水で練って投入した。
頃合いを見て炉の解体に移る。
炉の内部はえらい熱量で満ちていた。
放射熱がもの凄く、近付くのがとても辛い。
炉内のまだ燃えてる炭をかき分けケラを探す。しかしなかなか出てこない・・・
炉を分解して行ったら、炉底に潜り込んだ形でケラが出てきた。
斧を使ってケラを割る。
樽に張った水の中に投入。
出来上がったケラは大部分が溶融した形跡があり、ノロと混じった塊になっていた。
過剰に吸炭してズク(銑鉄)になっている様だ。
よくよく観察してみると、ズクの固まりの上にケラ(よく見る玉鋼・・・炭素量が比較的低い鋼)が少量出来ていた。
おそらく最後の方に入れた赤目砂鉄によるものみたいだ。
グラインダーで炭素量を見てみる。
かなり炭素量が多そうだ。
今回出来た鉄はおおよそ5㎏だったそうだ。
炭素量が多いがちょっと手間ではあるが、卸し鉄をすれば十分使えそうとの事だ。
たたらによる砂鉄の還元は半熔融状態で推移するそうだ。
単純に状態図に当てはめる事はできないが、傾向はこれに近いと思われる。
砂鉄から還元された鉄は状態図のΓ+Lの領域にある。
羽口の上方で砂鉄は還元されて鉄になるが、鉄は半熔融状態で羽口付近の炭の間を流れて炉底に滴下する訳だ。
炭の間を流れる間に吸炭するはずだが、半熔融状態の中の固相状態のΓがCを固溶しているのだと考えられる。
Γに固溶するC量は図の赤線に沿って推移する事になる。
温度が上がる程に固溶するC量が減る傾向になる。焼入れとは逆なんだな。
羽口の温度が低いと吸炭量が増えて、温度が高い方が吸炭量が減ると考えられる。
炭素量0.5~1.0%の鋼を得ようとすると、羽口付近の温度は1350~1450℃に保つ必要がある様だ。(あくまで平衡状態なので、実際にはずれがあるが・・・)
今回板状にした真砂砂鉄だと熔融した状態になったのは、炉内の沈下速度が遅かったからではなかろうか。
板状に固めて投入したため、炉内の初期の段階で固まりになり、炭の間を通過するのに時間が掛かったと思われる。
羽口上部の比較的温度が低い位置で吸炭が促進されて、羽口付近の一番温度の高い部分を通過する頃には炭素含有量が高くなり融点が下がったため、溶融状態になり炉底に溜まったものと考えられる。
赤目砂鉄だとケラになったのは、水で練っただけだったので炉内ですぐにバラけて、停滞する事なかったからなのかもしれない。
出来上がったズクとケラが炉底に潜り込んでいた原因は、初期の段階でノロが十分に出来ず、カーボンベッドが浸食されたからなのかもしれない。十分空気を遮断できなかったからと思われる。
ノロは炉の中に塗った粘度が溶け込む事により生成するそうだが、初期の段階では炉壁の温度が十分上がらず、ノロの生成が十分でなかったと思われる。
砂鉄は予め十分選別していたそうだが、これもノロの生成が少なかった原因になるのかもしれない。砂鉄に含まれる不純物にはノロになる成分が含まれているそうだ。(珪酸塩等)
場合によっては砂鉄と一緒にノロになる成分や、ノロの発生を促進する成分を投入するのがいいのかもしれない。
ノロはケラの上で熔融状態になってないといけないが、ズクの中にノロが噛んでる状態を見ると、粘度が高く流動性が悪かったのかもしれない。
ノロの成分に問題があったのかもしれないが、もしかしたら温度が低かった可能性もある。
羽口をもっと炉底に向けて、温度が十分上がる様にした方がいいのかもしれない。
今回は2日目の操業だけ見れたが、初日から参加して炉を作るところから見てみたかった。炉の内部構造をもっと詳しく知りたい・・・
たたらはなんとなくしか原理を知っていなかったが、実際を見る事によってより多くの事を知る事ができた。とても興味深かった。
ちっと遠かったが行ってよかったw
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